テルアビブ証券取引所
            

                リスクのコントロール
            

                お客様の紹介
            

テルアビブ証券取引所 (TASE) は、幅広い証券および金融商品用の信頼性の高い包括的なトレーディングプラットフォームを投資家に提供しています。取扱商品には、株式、債券、短期国債、ETF、株式指数のオプションおよび先物、外国為替レートのオプションおよび先物などがあります。

                課題
            

  • リスクの軽減、能力の向上、ノンストップオペレーションの実現のため、最先端のテクノロジを整備する
  • バックエンドシステムに関する 20~30 年の知識を活かし、Natural によるクリティカルアプリケーション開発を継続する
  • DevOps を実装し、開発者のスピードとアジリティを向上させる

                成果
            

  • コストの削減、リスクの最小化
  • 国際規格、セキュリティ、規制の遵守
  • 他の言語やモデルで開発する能力
  • バージョン管理の向上
  • 開発者体験の向上

                ソリューション
            

Adabas & Natural をベースにした TASE の清算決済システムを、トレーディングシステムが稼動する Linux に移行しました。また、プログラマがアジャイル開発および展開のための最新ツールにアクセスできるようにするため、NaturalONE に移行しました。
ロゴ

                    「TASE は移行にあたり、Adabas & Natural を維持することを選択しました。バックエンドシステムで培った 20~30 年の知識を活かしたいと考えたためです」
                

– Hezi Shirazi 氏 | TASE システムアーキテクチャバックオフィス

                新しいものを取り入れ、古いものを活用
            

イスラエルで唯一の取引所であるテルアビブ証券取引所 (TASE) は、競争を理解しています。市場シェアを争うライバルは、デジタルファーストのフィンテック企業や、世界最大規模の影響力を持つ取引所です。また、イスラエルは (シリコンバレーに次ぐ) 世界第 2 位のハイテクスタートアップ大国のため、TASE はスタートアップの上場についても争う必要があります。そのために、TASE はテクノロジをモダナイズしなければなりませんでした。

TASE は、地域および世界的な規制を遵守しながら、新興フィンテック企業と同等のデジタルサービスを提供する必要がありました。また、Nasdaq®、LSE、NYSE など、大規模な上位取引所に匹敵するサービスを提供する必要もありました。

最初のプロジェクトは、Adabas & Natural ベースの清算決済システムを、トレーディングシステムが稼動する Linux に移行することでした。Linux OS は運用と保守にコストがあまりかかりません。オープンソースプラットフォームのため、TASE には開発ツールとバージョン管理ツールの選択の幅が広がります。

TASE は Software AG の協力の下、1 日 30 万件超の清算および決済取引を処理する 1 万以上の Natural プログラムと Adabas データベースを、従来の環境から Linux にシームレスにリホストしました。この移行により、コストを削減し、リスクを最小限に抑えながら、カスタムメイドのミッションクリティカルなアプリケーションとバックエンドデータを引き続き使用できます。

すべてをかなえる DevOps

次のフェーズで、TASE は、プログラマ全員の環境を DevOps ベースの 1 つのアーキテクチャにまとめたいと考えました。Software AG の Eclipse ベースの開発環境である NaturalONE は、TASE の Java®、C++、Python® のプログラマがすでに使用している DevOps 環境と容易に統合できます。

現在、新しいアプリケーションの開発と既存のアプリケーションの機能強化は、プログラミング言語やモデルに関係なく、同じ DevOps の標準と手順に従って行われています。

NaturalONE と DevOps への移行により、プログラマはアジャイル開発および展開のための最先端ツールにアクセスできるようになりました。たとえば Git
などのオープンソースのバージョン管理システムを使用して開発環境を制御できることは、規制要件への対応には非常に有益です。

地域や世界的な規制により、TASE はクリティカルシステムのバージョン管理を必要としていました。TASE が作成するインデックスでは、新規の証券や支払いイベントに応じて計算が絶えず変更されています。規制当局が変更の内容と時期を確認できるようにするために、バージョン管理は極めて重要です。

バージョン管理の向上により、プログラマの労力は削減され、変更のコントロールが強化されるとともに容易になり、よりアジャイルな開発が実現します。

NaturalONE の導入以前、プログラマは、複数のプログラマが同じコードの一部分に対して行った変更をマージおよび評価するための使いやすいツールにアクセスできませんでした。

該当する変更を特定するための手動精査は、非常に時間がかかり、リスクがありました。

NaturalONE の導入により、TASE ではすでにプログラマの生産性の向上が見られています。開発者は Git リポジトリベースのバージョン管理システムを使用することで、複数の開発者が同じソースコードに対して作業をする場合に、重複する変更をマージできるようになりました。これは、1 つの画面で 2 つのバージョンを比較し、必要な各
変更を承認することで簡単に実行できます。

NaturalONE によるバージョン管理は非常に有効です。ソースコードのすべてのバージョンがリポジトリに保持されるため、変更を進めることもロールバックすることもできます。古いソースコードを再度有効化できるセキュリティ機能により、リスクが軽減され、開発者の生産性が向上します。

次のステップ

すべてのアプリケーションとデータを Linux に移行した後、TASE の次のステップは、クラウドアーキテクチャの実装です。そのために、仮想化を使用してデータベースサーバをアプリケーションサーバから分離します。1 台の物理マシンに依存
しなくなるため、各サーバをより適切に制御できます。システムアーキテクチャバックオフィスの Hezi Shirazi 氏は次のように述べています。「アプリケーションとデータベースを別々のサーバ上で実行できるアーキテクチャで、ビジネス継続性とセキュリティを向上させ、高可用性を実現したいと考えています」。

TASE は仮想化、つまり、Natural アプリケーションをサービスに分割して Docker® コンテナで実行する手法を使用して、アプリケーションからデータを分離し、データを別のサーバに配置する計画です。TASE は、負荷分散により、システム
停止に対応し、より迅速かつ容易に回復できる態勢を整えます。サーバがダウンした場合でもビジネス継続性が確保されます。

オープンシステム、オープンマインド

TASE がオープンソースである Linux に Adabas & Natural のアプリケーションをリホストしたとき、同社の Natural 開発者は当初、現在の NaturalONE の Eclipse ベースの新しい環境で作業を始めることに消極的でした。TASE のプログラマ
は最新のツールを使用することに抵抗感を持っていたため、説得して同意を得る必要がありました。

Software AG は、NaturalONE のオンサイトトレーニングとメンタリングを提供しました。NaturalONE を DevOps の統合環境で使用するメリットが明らかになり、わずか数日のうちにプログラマの抵抗感は一掃されました。

「Git や Jira® などの DevOps ツールと NaturalONE を組み合わせて使用することで得られる付加価値がすべて明らかになり、開発者はより優れたプログラムコードをより迅速かつ安全に開発することがいかに簡単になるかに驚いていました」と、オンサイトワークショップを指揮した Software AG のソフトウェアエンジニア、Ilan Hirschowitz は述べています。

さらに、次のような付随効果もありました。新しい開発アーキテクチャにより、TASE のすべての開発チームが一体化したのです。清算から派生業務に至るまで、さまざまな専門チームと業務関係者全員が互いを知り、協力し合い、各チームと取引所が行っている業務の重要性を理解しました。

TASE は、Linux へのスマートな移行と Eclipse ベースの DevOps 環境に NaturalONE を導入した結果、最強のライバルに対抗できるアジリティとスピードを手に入れました。

                    Software AG で発見、決断、行動
                

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